ホクト59のダイニングテーブルが完成したのは、まだ肌寒い今年2016年の2月のことでした。
それから、2ヶ月後の2016年4月、スタンダード家具のダイニングテーブルをはじめてのご注文をくださったのは、
群馬在住の自分たちと同世代のご夫妻でした。
ご夫妻が生活しやすい空間になるよう設計されたという平屋風のご自宅。
お客様のご要望は、
・家族4人が二人ずつ並んで座れる4人掛けであること。
・お手持ちの椅子が使用できる天板の高さにすること。
・あまり色味の強くない材
・小さなお子様がいらっしゃるご家族のため、通常のエッジの効いた天板の仕上げではなく角を丸く仕上げること。
目を見張る開放的なガラス張りの玄関には木の建具。
ガラス戸を戸袋に収めれば、
そこは庭と玄関が一体化した心地よい空間が視界いっぱいに広がる素敵なご自宅でした。
奥様が古いものがお好きということで、ご自宅には古い時計、今では材を見つけるのも大変であろう、黒柿とケヤキの杢板で作られた小さな座卓テーブル。
さらに、自宅ができる前に一目惚れしたという、日本楽器製造株式会社(のちのヤマハ楽器)が製作していた食器棚と、いつか実物がみたいと思っていた、折りたたむことのできる椅子「山葉文化椅子」にもお目にかかることができました。
新しい家具と古い家具の融合を愉しむ。そんなご夫妻の感覚と自分たちにも近いものがあります。
古いものと今のもの。今のものもいずれは古いものとなる。
時間が経過した時、古さの中に良さが残せるような一点を作り出せることができたならば、それぞれは別の時代のものであってもひとつの空間の中で融合することが可能ではないだろうか・・・。そんな想いを抱きながら、スタンダード家具を作り上げています。
今の自分たちが良いと思える形にした一点を、同世代のお二人に選んでいただけたことはとても励みになりました。
帰りの車内では、奥様が一目惚れした食器棚の話題に。。。
食器棚には斑入りの良質なナラ材が使用されており、昔の材はやはりいいものが多いね。と、タイムトラベルしてみたいような気分になるのでした。
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